日本は女性の政治参画が世界でも最下位クラスだ。ジェンダーギャップ指数の政治分野で日本は146カ国中139位。谷口真由美さんはこの状況を変えるためにも、自ら大阪府知事選に挑む姿を女性たちに見てもらい、女性の政治参画の背中を押したいと話す。
法学者で、ラグビー協会の理事も務めた谷口真由美さんが、大阪府知事選へ挑戦すると決めた。これまで何度も打診がありながらも政治の世界には入らないと固辞してきた谷口さん。なぜ今回は決断したのか、ジャーナリストの浜田敬子さんが谷口さんにオンラインで独占インタビューした後編。
前編「谷口真由美、大阪府知事選挑戦の理由「吉村さんと大将戦で維新政治を検証したい」」では、吉村洋文現大阪府知事との「大将戦」を決断した理由を詳しく伺った。後編では、女性として選挙に出ることの話や家族の反応、そして知事選挑戦の可能性が報じられてからのことを伺っていく。

女性が選挙に出ることの怖さ
――女性が選挙に出ることを躊躇するのは、票ハラ(票ハラスメント)などの嫌がらせを受けたり、リアルでもネット上でも様々な個人攻撃にさらされたりすることも一因です。その背景には「政治は男がするもの」という根深い差別意識もあります。谷口さんもおそらく言われのない攻撃を受けられると思いますが、怖さのようなものはないですか。
谷口:私が叩かれるのを見て、さらに政治の世界に入ることを躊躇う女性も出てくるかもしれません。先日首相を辞任したニュージーランドのアーダーンさんは評価の高かった政治家ですが、それでもしんどかったんだと感じました。日本だけではない、女性が政治をするのは世界でもまだしんどいんだなと。

府知事選挑戦を検討しているという報道が出た段階で既に、罵詈雑言、攻撃的や暴力的な書き込み、私を巡る陰謀論に至るまでそれは凄まじいものがあります。見知らぬ人はもとより、友人だったのでは? という人からも、直接聞かれることもなく、思い込みによる個人攻撃も受けました。なかには、人権と関わってきたと思っていた人でも、ミソジニー(女性嫌い)丸出しのことを書いていたり。知らない人から書かれる怖さより、知ってる人からの残念な対応には、正直なところ心が痛くなりました。
それでも私は、今回自分の「被選挙権を行使しよう」と思ったんです。選挙に出るのは権利。だったらそれを私が行使することで、女性たちが「私も」と思えて、世界が1ミリでも進むのであれば出ようと。