恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』シーズン4に参加し、タレントとして活動するシンディ(桑原茉萌)さん。現在25歳のシンディさんだが、7年前の高校3年生のとき、卵巣に30センチもの卵巣腫瘍が出来てしまったという。

最後の高校生活を楽しむ真っ最中、自覚症状もない中、見つかった卵巣腫瘍。不安感いっぱい戸惑いの中、挑んだ手術。術後の様子と一週間で退院の予定が1ヵ月に変わった出来事についてシンディさんに寄稿してもらった。

高校3年、18歳のときに、巨大な卵巣腫瘍が出来て手術を行ったというタレントのシンディさん。写真提供/シンディ

※医療監修:厚生中央病院 神田理恵子医師

 

巨大腫瘍は、胎児と同じぐらいの大きさに

2時間の予定だった手術でしたが、予定時刻を1時間半ほど越えて終わりました。麻酔から醒めたら、私の身も心も支配している大きな腫瘍が取れてきっとすっきりとする、と思っていた私でしたが。ここから新たなる壮絶な戦いが始まりました。

私の卵巣に出来た腫瘍は、大きさが30センチもあり、わかりやすく例えると「胎児」と変わらないほどの大きさでした。検査画像で腫瘍の様子をみると、巨大に膨れ上がった卵巣の腫瘍が腸や胃など、他の臓器を押して潰していました。

18歳の頃、シンディさんの手術前の卵巣腫瘍の状態。「当時の担当医に許可をいただいて撮影させてもらった画像です。もやもやしたグレーの部分が巨大な腫瘍。想像を絶するほど大きくてびっくりしました」とシンディさん。写真提供/シンディ

卵巣は通常左右にふたつ存在しています。こんなにも大きな腫瘍であれば、ふたつある卵巣のうち腫瘍が出来ている側の卵巣全摘、お腹にメスを入れる開腹手術を選択するのだろうな、と思っていました。ですが、私は将来芸能活動をしたいという夢があり、できる限り傷跡が大きく残ってほしくないという思いを持っていました。また、当時まだ18歳だったので将来妊娠出産できる選択を考慮して、30センチの腫瘍を卵巣ごと全摘出するのではなく「卵巣の中にある腫瘍のみを抜き取り卵巣は残す」という選択が取られ、腹腔鏡手術で行われることになりました。

イメージできなかったのですが、このときの執刀医の説明だと、パンパンに空気の入った風船にストローを刺して中の空気だけを抜き、余った風船の皮を小さくして元の場所に戻す感じ、ということでした。

もちろん腫瘍が出来ている側の卵巣ごと全摘することも考えましたが、以下のことが考えられると指摘されました。
・排卵のペースが落ちて、妊娠の可能性が下がる
・卵巣腫瘍は、片側の卵巣にもできることがあり、片方を全摘してしまうともう片方にできたときに妊娠の可能性がより下がってしまう
・ホルモンバランスの低下で体調不良などが発生することもある

さらに、私の腫瘍は巨大化していましたが、画像診断等では、腫瘍は境界悪性、悪性の可能性が低めであると言われていました。もちろん、完全に悪性なのか良性なのかは、組織を病理検査してわかることなのではっきりとは言えないということでしたが、残せる選択ができるということで、この術式が選ばれたのです。