2023.02.10
# 就活

監視型Webテスト導入で、混乱する就活事情。さらに不正で入社した社員は20年分にも上る!?

今、就活はどうなってる?(1)後編
2022年11月に、採用選考のWebテストを不正に代行する業者が逮捕され、依頼した学生3名も書類送検された。Webテストの不正は広がっており、あなたの子供も不正に関わり、内定取り消しや大学を退学という事態になるかもしれない。あなたの会社の新人がWebテストの不正に関わり逮捕されるかもしれない。企業に対し採用選考の指導をする一方、学生の就職活動の指導をおこなう、一条はやと氏が採用選考のWebテストの現状について解説する。
前編<【Webテスト代行を依頼した学生が書類送検!】就活で使われるWebテストの真実>に続き徹底解説!

監視型Webテスト登場!Webカメラを使った監視で不正防止!

テスト作成会社も無策の時期が長かった。Webテストが登場してから約20年間、なんの不正対策もとっていなかった。

不正対策はテスト作成会社の努力というよりは、天災により誕生した。

新型コロナ蔓延で、大学の授業がWebカメラを使ったリモート授業に切り替わり、大学生のほとんどがWebカメラ付きのPC(またはi-padなど)を所有している状況になったのを好機にと、2021年にテスト作成会社の大手は次々とWebカメラを使った監視型のWebテストをリリースした。

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監視方法はさまざまだ。

Webカメラを通して監視員が目視で監視する仕組みのWebテストもあれば、Webカメラを通してAIで監視する仕組みのWebテストもある。

監視型Webテストの初年度の盲点をついた不正

逮捕された代行業者は自分のパソコンと学生のパソコンを画面共有させ、学生のPCで表示されたWebテストの問題を見て、マイクで答えを言い、学生は耳に小型のワイヤレスイヤホンを入れ答えを聞いていた。しかも、学生は髪で耳を隠していたので、ワイヤレスイヤホンはバレなかったのだ。

これは監視型Webテストの初年度の盲点があり、それをついた不正だった。

さらに不正対策の強化をした監視型Webテスト

こうした不正の手口はテスト作成会社も把握しており、不正防止の仕組みは飛躍的に向上した。今では、耳が隠れない髪型にすることを最初にチェックし、さらに、監督者のパソコンと学生のパソコンを画面共有し、学生が不正のためのパソコン操作をしたら、監督者が把握できる仕組みになっている。

  • 『成熟とともに限りある時を生きる』ドミニック・ローホー
  • 『世界で最初に飢えるのは日本』鈴木宣弘
  • 『志望校選びの参考書』矢野耕平
  • 『魚は数をかぞえられるか』バターワース
  • 『神々の復讐』中山茂大