2023.02.10
日本の「焼酎」、じつは「謎だらけの酒」だった…「衝撃的すぎる7つの不思議」
二日酔いしにくいから、健康に良さそうだから、などの理由で普段から焼酎を呑んでいる人も多いのではないでしょうか。日本人にとって身近な焼酎は、じつは世界的にみて非常にユニークな特徴を持った蒸留酒なのだそうです。
焼酎の研究を40年以上続けてきた鹿児島大学客員教授の鮫島吉廣さんは、焼酎には「七不思議」があると言います。
不思議な焼酎を科学的な視点から深堀りした新刊『焼酎の科学』(鮫島吉廣・高峯和則:著/講談社ブルーバックス)より、プロローグを特別編集してお届けします。
蒸留酒は「湯気の集まり」
焼酎は、日本人にとって身近なものですが、蒸留酒としてはじつに不思議なお酒です。
焼酎の本場では焼酎が清酒と同じように飲まれてきたので、かつては蒸留酒であることを知らない人も多くいました。
すごくおおざっぱに言うと、清酒を蒸留したのが焼酎(米焼酎)、ワインを蒸留したのがブランデーという関係になりますが、ブランデーは食中酒であるワインの代わりにならないのに、焼酎はブランデーと同じ蒸留酒でありながら醸造酒の清酒と同じように食中酒として飲まれています。

「湯気の集まり」である蒸留酒が、醸造酒のように飲まれるのは不思議なことです。同じ原料を使ったとしても、醸造酒と蒸留酒は全く異なる酒になるのです。それなのに、どうして蒸留酒である焼酎が、醸造酒である清酒と同じように飲まれるのでしょうか。
焼酎の蒸留酒らしからぬ不思議さは、いろいろあります。その例を紹介しましょう。
これらの不思議さについては、本書を読み進めるなかで理解が深まっていくことと思います。