2023.02.09

【独自】文科大臣を務めていた萩生田光一氏に「教育論」をガチンコで聞いたら、驚きの回答だった《シリーズ・ニッポンの教育》

ニッポンの教育
田原 総一朗 プロフィール

小学校の定員を40人→35人に減らせ

萩生田 私が文部科学大臣を務めていた2021年3月、公立小学校の定員を1クラス40人から35人に減らす法改正を実現しました(2024年度までに段階的に引き下げ)。1クラスの定員を一律で減らすのは、1980年以来実に40年以上ぶりの改革です。

田原 抵抗勢力にずいぶんジャマされたんじゃないですか。

萩生田 財務省から「教員を増やせば人件費が増える。少子化なんだから教師を減らせ」とガンガン言われましたが、逆です。今こそ教員を増やして教育環境を充実させるべきですよ。

田原 それは大賛成だ。投資という観点で考えればはっきりわかるとおり、今から人材に投資しておけば、将来必ず大きなリターンがありますからね。

萩生田 「パソコンやタブレット端末を1人1台導入したんだから、上手に教えてくれる先生の授業をオンラインで見ればいいじゃないか」なんて言う人もいますけど、学校ってそういうところじゃないんですよ。効率性を重視して機械仕掛けの授業をやったって、生徒が育つわけではない。必要なマンパワーは、ちゃんと現場へ補強していかなければいけません。

中学校は教科担任制ですが、小学校は担任制度であることも問題です。東京の小学校だと理科とか音楽は先生が別だったりしますが、地方では道徳や美術、体育を含めて1人で10教科全部教えていたりします。

 

田原 中には運動音痴の先生がいたりしてね。

萩生田 主要科目は担任の先生がしっかり教え、専科は別の先生に見てもらう。こうすれば1日のうちに隙間時間ができますから、その隙間を使って翌日の授業の準備ができます。

日本が誇る資源は人ですから、ここはまさに1丁目1番地です。(1)待遇改善(2)1クラス35人(3)マンパワーの強化、この三つをいっぺんに進めます。

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