ビジネスで「データを最大限活用」するためには、「データの軸」を意識するのが決定的に大事だった…!
「データをビジネスに役立てましょう」
「数字を読めるようになりましょう」
「妙なグラフにダマされないようにしましょう」
データや数字を適切に読み解き、さまざまな局面で役立てることは、現代人にとって「必修」とも呼ぶべきスキルになりつつあります。
しかし実際のところ、どのようにデータを活用すればいいか、明確にわかっているという人は少ないのではないでしょうか。
以下では、Googleのニュース部門であるGoogle News Labで活躍し、「データの可視化」のエキスパートと言われる荻原和樹氏が、適切なデータの扱い方、データにもとづいた思考法について解説します。
(本記事は、荻原和樹『データ思考入門』を抜粋、編集したものです)
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データの「軸」を考える
データの構造というと難しく聞こえるかもしれませんが、考え方はとてもシンプルです。あらゆるデータは純粋な数字の羅列ではなく、分類したり時系列に並べることができます。これらの分類や時系列を、私は「軸」と呼んでいます。
たとえばレストランの売り上げデータについて考えてみます。会社やシステムによってデータの持ち方は様々でしょうが、おそらく最も小さな単位は「1組の顧客が1つの料理を注文したときの売り上げ」でしょう。
この場合の軸は「いつ買ったのか」「どこで買ったのか」「顧客の属性(年齢、性別、会員制度がある店ならその種類)」「当日の環境(気温、天気)」などがありえます。これらの軸は「顧客の年齢別売上高」のように単独で使うこともあるでしょうし、複数を組み合わせることもあるでしょう。