最近SNS上でもよく取り上げられるFX投資。少ない元手で大きな取引が可能になる点が魅力ではあるものの、失敗すれば大きな負担を背負うリスクもある。
四国の愛媛県出身で、東京都内の大学に通う山中亮太さん(21歳・仮名)もその一人。損失を取り戻そうとのめり込むあまり、奨学金50万円をも費やし、最終的に学生には重すぎる金銭的負担を背負う結果となってしまったのだ。彼の事例を紹介しつつ、FX投資に潜むリスクについて紹介したい。
きっかけはコロナ禍だった
亮太さんは3人兄弟の長男で、父親は地方公務員、母親はパート勤務という地方の平均的な家庭で生まれ育った亮太さんは、地元の公立高校を出て、第一志望だった都内の私立大学に進学しました。
弟が2人いることから、経済的な負担の少ない地元の国立大学と迷いましたが、「できる限りの支援はする」という両親の言葉に背中を押されて、希望していた都内の大学を選びました。

亮太さんは日本学生支援機構の貸与型奨学金を利用しており、授業料はほぼ奨学金でまかなっていました。また両親の仕送りの負担を少しでも軽くするために、平日の夜や休日には積極的にアルバイトを入れていました。
ところがコロナ禍になり、飲食店のアルバイトはシフトが激減。亮太さんのアルバイト収入は以前の半分以下、少ないときは4分の1程度にまで減ってしまいました。そんなとき、大学の友人から「FX投資で大儲けした同級生がいる」という話を聞き、亮太さんは興味を持ちました。