少ない元手で大きな取引が可能な点が魅力のFX投資。しかし失敗すれば大きな負担を背負うリスクもある。都内の大学に通う山中亮太さん(21歳・仮名)は、コロナ禍でアルバイトのシフトが激減したのをきっかけにFX投資を始め、利益を上げていった。
しかし前編『FX投資にハマって奨学金「50万円」を失った、21歳大学生の大誤算』でも紹介したその成功体験が、彼をFXの沼へと引きずり込んでいく。
損失を取り戻そうとして
ちょうど大学の授業も自宅にいながらオンラインで受けられるようになったため、亮太さんは一日中パソコンのモニターに向き合い、為替の取引を行うようになりました。そして慣れてきた亮太さんは次第に投資金額もレバレッジの倍率も引き上げて、リスクの高い投資をするようになっていきました。

思った通り円安が進行し、亮太さんは順調に利益を増やしていきました。しかしあるとき、インターネット上にあるFX愛好家が書き込んでいる掲示板の情報や過去の円安時のチャートから、「そろそろ円安は止まり、逆に円高に動くだろう」と予測した亮太さんは、それまでのドル買いから方針を変更し、ドル売りの注文を入れました。
ところが亮太さんの予想に反して、為替はさらに円安へと進んでいきました。レバレッジをかけた取引の場合うまくいったときは利益も大きくなりますが、逆にマイナスになったときの損失も大きくなります。