2023.03.15
# 統計 # データ # 立ち読み

現代人の必須スキル「データの活用」、そのときに気をつけたい「ステレオタイプ」の問題

「データをビジネスに役立てましょう」

「数字を読めるようになりましょう」

「妙なグラフにダマされないようにしましょう」

データや数字を適切に読み解き、さまざまな局面で役立てることは、現代人にとって「必修」とも呼ぶべきスキルになりつつあります。

しかし実際のところ、どのようにデータを活用すればいいか、明確にわかっているという人は少ないのではないでしょうか。

以下では、Googleのニュース部門であるGoogle News Labで活躍し、「データの可視化」のエキスパートと言われる荻原和樹氏が、適切なデータの扱い方、データにもとづいた思考法について解説します。

(本記事は、荻原和樹『データ思考入門』を抜粋、編集したものです)

ステレオタイプを助長していないか

ステレオタイプ、すなわち偏見や先入観を助長していないかどうかも、広く受け入れられるデータ可視化を作る上で重要なポイントです。

データ可視化で最も重視される要素のひとつは「わかりやすさ」ですが、わかりやすさを追い求めるあまり特定の人々に対するステレオタイプを知らず知らずのうちに利用しているケースがあります。

最もありがちな例が性別の色分けです。日本では男性=青、女性=赤・ピンク、という色分け意識が根強いですが、もちろんすべての男性が青や黒を好むわけではないし、同様にすべての女性が赤やピンクの服を着るわけではありません。ジェンダーによるステレオタイプを助長しないためにも、男性・女性の区別は別の色で行うほうがよいでしょう。