2023年も、首都圏で中学受験のピークが終わり、SNSでは、2023年組の受験報告が飛び交った。そして2月は、中学受験塾の新年度スタートでもある。ジャーナリストのなかのかおりさんは昨シーズン、高瀬志帆さんの大ヒット漫画「二月の勝者」がテレビドラマ化された際、主演の柳楽優弥さんにインタビューしたのをきっかけに、FRaU webにて様々な受験体験を紹介した。今シーズンからはSNSで広がっている「#中学受験のバトン」活動に賛同し、情報を発信している方たちのインタビューでバトンをつなぐ。
今回は、3人の子を持つワンオペのワーキングマザー・M子さんにインタビュー。小さい頃から「算数男子」だった息子さん。自作のラップで社会の暗記をしたり、友達と励まし合ったり、開成合格に至るまでのドラマを紹介する。
#1-1 長女が「桜蔭・浦明・豊島岡」合格パパが「#中学受験のバトン」を始めた理由
#1-2 姉は「桜蔭・浦明・豊島岡全勝合格」弟の中学受験、波乱に親はどう寄り添うか
#2-1 塾なしで6年までサッカー続け「都立中高一貫校」合格!共働き夫婦が大切にしたこと
#2-2 夜9時就寝…「塾なしで都立中高一貫校に合格」の父が語る「合格を呼んだメンタル」
#3-1 偏差値49から早慶大附属の中高一貫合格!中受未経験の父が気づいたこと
#3-2 「偏差値49から早慶大附属合格」パパに聞く、入試直前期「3つのルール」
小5で数学終了、公文の先生に勧められ
関東地方に住むM子さんは、3人の子を持つ。事情があって夫とは一緒に暮らしていない、ワンオペのワーキングマザーだ。長男は、東京私立「御三家」の中高一貫校・開成に通っている。開成高は、東大合格者ランキングで41年連続の1位。2022年は193人が合格した。勉強ばかりでなく、運動会も名物行事だ。身体接触のある団体競技がメインで、生徒が8つの組に分かれ、高3生が下級生を指導。生徒の自主性が尊重され、大変な盛り上がりを見せるという。

「息子は、小さい頃から算数が得意で、5歳の時に公文に行き始め、小学1年生で6年生のレベルまで終わり、5年生の頃には中学の数学を終えていました。計算のスピードが、とても早くて。公文の先生に、受験しないの?と言われましたが、中学受験が盛んな地域でもなく、初めは受験って何?と思っていました。
小4の時、自宅近くで受験塾を探して、近かった早稲田アカデミーに決めました。息子が楽しく算数ができるなら、どの塾でもいいと思っていて、送迎しやすい場所ということがポイントでした。娘はダンスを習っていますし、好きなことをやったらいいというのが、3人の子に対する共通の思いです。
息子は小4まで、サッカーとスイミングをやっていました。スポーツは年齢を重ねるにつれ、本当にすごい子が出てきて、能力の差が現れます。親もサポートが大変になってくる。娘たちの送り迎えも含め、我が家の習い事が10個ぐらいになってしまい、塾や公文もあったのでスポーツをやめました」
