夫婦間の秘密。それは多かれ少なかれある人の方が多いだろう。しかしそれがとても大きな秘密だったらどうなるか。
木曜10時からのドラマ『忍者に結婚は難しい』(フジテレビ系)は、菜々緒さん演じる蛍と、鈴木伸之さん演じる悟郎が実は甲賀と伊賀というライバルの忍者同士という設定だ。

家事のジェンダーギャップも描かれ、それも話題となったが、最新6話では互いにライバル同士だという「秘密」が分かってからのドラマとなっている(ちなみに、互いを倒すしかないと言って激しいアクションの結果、SNSが盛り上がるほどのキスシーンに……)。

そう、大きな秘密がある夫婦は、その秘密が明らかになってからが正念場となる。
多くの著書があり、様々な夫婦の姿を取材してきた沢木文さんが「秘密がバレた夫婦」についてお伝えする今回は、年収1000万円を超えるキャリア女性で、自分の年収と仕事内容についてひた隠しにしてきた方に取材。前編「「オマエ呼び」の夫に”年収1000万円妻”が10年間ひた隠しにしていたこと」では本来は外資系の企業でチームリーダーをしながら、なかなか結婚相手としてみなされない現実に直面、「アシスタント」と偽って婚活し、男尊女卑の家庭に嫁いだことをお伝えした。
妻を「オマエ呼び」する夫に、自分のキャリアと年収をひた隠しにしていた妻。しかしコロナ禍でその秘密が明らかになるときが……果たしてどうなるのか。
年収と仕事の内容はバレないようにしなければ…
「ウチの世帯年収は1000万円近く」と自慢していた朱里さんの夫。
しかし、夫の年収は当時の平均よりやや高い450万円。当時1000万円だった朱里さんの半分にも届きません。だからこそ、朱里さんの本当の年収がバレたら、夫のプライドは傷つき、逆上する可能性があることに朱里さんは気付いたのです。そこでますます、「私の年収と仕事の内容だけは、夫にはバレないようにしよう」と決意したのでした。
「息子とパパは相思相愛です。私も結婚している方が都合がいい。というのも、既婚者の社会的信頼度は高いんです。だって“普通の人”だと思ってもらえるから。多様化社会になるほど、普通の価値は高まっていると感じます。人間の本質って基本的に変わらないんですよ」

面倒な恋愛をしなくていいことも、結婚していることの魅力です。
「いざとなったら助け合えるなど、結婚は都合がいいことが多いんです。ウチは夫の希望で夫婦別財布にしているので、私の年収がバレる心配はありません。夫はいずれ実家の土地を相続し、そこに家を建てる予定があるので賃貸派。住宅購入の予定もないので、ローンの審査をすることもなく、私の年収がバレる心配もありません」
しかし、そんな中世界中をコロナが襲います。そして、緊急事態宣言下のリモートワークで、朱里さんの仕事内容がバレてしまったのです。