2023.02.19
70代、“おひとりさま女性”の大誤算…安心して死ねるはずの「終活」で大後悔した「意外すぎる落とし穴」
じつは曖昧な『終活』のゴール
日々どこかで『終活』という言葉を目にしたり、耳にするようになりました。昭和の時代にはなかったことなので、準備をしておくという点でとても良いことだと思っています。ただ『終活』は、ゴールが明確でないため、間違った捉え方をしている方もいるようにお見受けします。
『就活』は、就職をすることがゴール。『婚活』も結婚することが終着点。『妊活』にしても、しかりです。ところが『終活』は何をさし、何がゴールなのでしょうか。
人によってはエンディングノートを書くことだったり、断捨離だったりするでしょう。ところが高齢者サポートをしている私たちからすると、これらは真の『終活』ではないと考えてしまいます。

私たちの考える『終活』とは、自分で判断(対応)できなくなった時に、自分の代わりにしてくれる人を「決めて託しておく」ことだと定義づけています。なぜならば、たとえば自分が意思表示ができなくなった状況で、緊急時に誰が医療の判断をするのでしょうか。
常日頃、自分はただ延命するだけの治療は受けたくないと思っていても、それを知らない家族は「精一杯の治療をお願いします」、「何とか助けてください」と言うかもしれません。
また仲の良い友人が思いを託されていたとしても、それが正式な権限ではなく口約束であれば、医療側は責任を問われることを恐れ、「生かす治療」しかできなくなります。
結果、自分の望むようには事が運びません。このような不幸を生まないように備えておくことこそ、『終活』なのです。