「健康のために運動しよう」と決心しても三日坊主になった経験のある方、いませんか? ジムやフィットネス・クラブはお金も時間もかかるし、「ジョギングでも」と思っても、周囲の人の目も気になる。
そんなあなたにおすすめなのが、誰でも簡単かつ無理なく体力をつけられる「インターバル速歩トレーニング」。今回はその効果を科学的に検証するだけでなく、その詳しいやり方や疑問点も特別に公開!
ブルーバックスの『ウォーキングの科学』にて紹介されたこの方法は、通勤や買い物の行き帰りにもできるので、ぜひ今日から実践してみてください!
ウォーキングで身につく「体力」とは
インターバル速歩トレーニングの話に入る前に、「体力」の定義について説明しましょう。体力といえば、病気にかからず健康を維持する能力、といったイメージを持つ方もおられると思いますが、運動生理学で扱う体力とは「筋力」と「持久力」を指します。
その理由は運動生理学の歴史にあります。運動生理学は、たとえば、鉱山など過酷な環境で作業効率を向上させる方策の開発、オリンピックなどのスポーツ競技でよい成績をおさめるためのトレーニング方法の開発など、さまざまな現場の要求に応えるために発達してきました。そのためには、筋力と持久力を別々に考える必要があったのです。
ウォーキングにおける「筋力」とは、途中で階段、急な坂道が出てきても楽にクリアできるかに影響します。とくに、酸素を使う代謝系(好気代謝系:この系による運動を有酸素運動と呼ぶ)が主となる遅筋が重要となります。

ウォーキングにおける「持久力」とは、どれほど速く長時間歩けるかを意味します。自動車でたとえればエンジンの大きさにあたるでしょう。エンジンはガソリンを燃やして車を動かすので、そのシリンダー体積でその能力を評価しています。3000ccのスポーツカー、600ccの軽自動車といった具合です。