「斗真の部屋は1階です。私は斗真の部屋の窓の下に身を隠して、中の様子を伺ってました」(友幸さん、以下同)
はじめは、室内から志穂美さんと斗真さんの親し気な弾んだ声が聞こえてきた。ところが、数分後、急にふたりは沈黙する。その後に聞こえて来たのは、男女の営みの声だった。
「ショックと言うより、やっぱりという気持ちの方が強かったです。30過ぎの男の世話に毎日のように通うなんて、どう考えても不自然でしたから」
裏切られたとわかった以上は容赦しない。友幸さんは確たる証拠を掴むため、興信所に調査を依頼。10日後に届けられた報告書には、驚愕の事実が記されていた。
「志穂美がかつて前夫の連れ子と一緒に暮らしていて、その子が斗真という名前なのは事実でしたが、いま志穂美と一緒にいる斗真はなりすましのニセモノでした。
じゃあ、誰なんだ? という話ですが、実は私と結婚する前からの志穂美の愛人(?)だったんです。以前志穂美が住んでいたアパートにも出入りしていて、職業はパチプロ、年齢は40歳。これが彼の正体でした」