《三木谷氏は刑事告訴を否定》帰国後逮捕か、帰国せず除名処分か…揺れるガーシーの帰国劇は、この先こうなる
「検察や官邸の了解はとっている」
帰るべきか帰らざるべきか──。
「ガーシー参議院議員」こと東谷義和氏(51歳)の気持ちは揺れている。
参議院が決めた「議場での陳謝」の懲罰処分を受け入れる意向を固め、2月27日午前、ガーシー議員の秘書が石井準一議員運営委員長と面談し、「本会議へ出席し、院議(参議院の決定)に従い、陳謝文を朗読致します」という文書を手渡した。
陳謝は参議院本会議で行われるため、与野党は3月8日水曜日で調整している。だからといってガーシー議員がすぐに帰国するわけではない。「帰ったら警察の捜査が始まる」とその行方を恐れる気持ちがあり、文書に帰国の日程など具体的なスケジュールは記されていない。
もともと、この1年で希有な人生を送った人である。闇カジノにハマって3億円以上の借金を抱えたうえ、韓国の人気アイドルBTSに会えるという名目で詐欺を働き、被害者から相談を寄せられた警察の捜査が始まって、2021年12月、片道キップを握りしめてドバイに逃亡した。
昨年2月にYouTubeを開始、暴露系ユーチューバーとなって芸能界好きの若年層を中心に「ガーシー現象」を引き起こし、7月には参議院議員となった。
だが、その過激さが仇となり、YouTubeやTwitterはBAN(凍結)され、やり玉に挙げられた芸能人、事業家などの苦情が警察に持ち込まれ、受理した警視庁捜査2課は、昨年末、ガーシー議員に任意の事情聴取に応じるように弁護士を通じて要請した。また今年1月、動画配信サイトの関係先である都内マンション等を家宅捜索した。
当初の詐欺容疑は、NHK党の借金肩代わりなどもあり、被害弁済が済み、示談も取れて捜査は中断した。だが、現在の捜査は別である。警視庁関係者が語る。
「YouTubeがBANされるまでの、昨年6月頃までの個人攻撃が、暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)、名誉毀損、威力業務妨害などに当たるとして捜査が始まった。選挙民の支持を受けて当選した国会議員だから、現場(捜査2課)の判断だけでは捜査できない。検察や官邸などの了解はもらっている」