科学によって「やりすぎの危険」を気づかされた
――スポーツ健康科学の研究者になった経緯を教えてください。学生時代はどのようなことをしていましたか。
田畑:もともと物理化学専攻で有機化学が好きでした。大学に入る前に足の怪我をして、大学では普通の体育のかわりに特殊体育という授業に出ていました。ここで初めて、スポーツ健康科学のような学問に出会いました。
その後、生物学と図学のどちらかの授業を選択しなければならない時がありました。当時どちらにもあまり興味がありませんでしたが、生物を選択したところ非常に面白く、さらに講談社が出版した岡田節人先生のブルーバックス『細胞の社会』という本を読んで、生物って面白い科学だなと思いました。
そこで生物系に行くにはどうしたらよいか考えて、選んだのが教育学部の体育というところでした。それから体を使って教育をする、ということをずっとやっています。
40年前ですから、分子生物学はやっていませんでしたが、当時は運動生理学といって、優秀な先生が研究をされていました。
大学院の時にはスポーツのタンパク代謝の勉強をして、低い強度でも長時間運動するとあるホルモンが出て体のたんぱく質を壊してしまうので、やりすぎは良くない、というような研究をしていました。

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早くも大学院生時代に「やりすぎは良くない」という研究に取り組まれていた田畑さん。「1日4分間、週2回」の無理のないトレーニング・スケジュールが生まれた一端を垣間見るようです。
続いては、「タバタ・トレーニング」の効果を、科学的な観点から説明してもらます。そして、健康や競技力向上のための研究が、治療という医学の分野とのつながりことにも及びます。トレーニングの一例もご紹介します!
きっと、明日のあなたの健康にも、役立つはず。忙しい方には、インタビュー動画もあわせてご紹介します。
続き〈60歳で始めてもOK! 「死ぬリスクを減らす」…「タバタトレーニング」の効果がスゴすぎた!〉は、下の【関連動画】からお進みください。
ブルーバックス・ウェブサイトでご覧の方は、こちらからどうぞ。
(聞き手:鈴木皓子)