2023.03.10

天皇は「夕食を食べてから寝るまでの時間」なにをしていたか? 女官が目撃した「意外な習慣」

女官は見ていた

現在の皇室は、政府の有識者会議が安定的な皇位の継承について議論を重ねるなど、さまざまな点において注目を集めています。

見方によっては皇室が岐路を迎えているとも言えそうな現在は、天皇、そして皇室について、多くの人が知識を深めていくのに適したタイミングなのかもしれません。

一方で、皇室の「内側」で起きたことについては、それがたとえ歴史上の出来事であっても、なかなか知るのが難しいのも事実です。世間とは隔絶された人々の、生活のうえでの細かなやりとりや、ちょっとした事件などが記録に残りにくいのは世の常というもの。

たとえば、過去の天皇が、夕食を食べてから寝るまでの間になにをしていたのか……といったごく素朴な点も、意外に知らないものです。

そうした「気になるけど意外に伝わってこない」過去の皇室の「内側」について、生々しく証言した記録が、山川三千子『女官 明治宮中出仕の記』です。

 

著者の山川(旧姓:久世)三千子は、1909(明治42)年に宮中に出仕し、明治天皇の妻である皇后美子(はるこ=昭憲皇太后、1849~1914)に仕えました。いわゆる「皇后宮職」の女官です(正式な役職名は、権掌侍御雇〔ごんしょうじおやとい〕)。

そんな山川がつぶさに御所の内部の様子を振り返った同書は、最初は1960年に実業之日本社から公刊され、世間に衝撃を与えたとされます。

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