出生数激減を前提とした社会構想を
2022年の出生数の速報値(外国人を含む)が79万9728人と初めて80万人を下回ったことを受けて、日本中が大騒動状態である。いずれこうなることは分かっていたのに、突如として問題が降りかかってきたかのような慌てぶりだ。
子どもを出産し得る年齢の女性人口が激減していくという「少母化」が、日本の出生数を激減させる最大の要因である以上、「異次元の少子化対策」をいくら講じようと出生数減の流れを反転させることは極めて困難だ。
国立社会保障・人口減少研究所は2115年までの将来人口推計を行っているが、出生数は一貫して減り続けると予測している。
政府はいまだ子育て支援策に熱心だが、周回遅れも甚だしいということだ。いまの日本は出生数の減少が進むことを前提とし、社会経済活動をどう維持・機能させていくか考えなければならないところまで追いつめられているのである。