「出会いたいと思えば、出会える」
「出会いたいと思えば、出会えるものです。期限を決めて動くとね。そうなるものなんですよ。3か月とか半年とか。そのくらいの期間あれば、何とかね。なるものですよ」
趣味を増やし社交に勤しむこと約9か月、離婚してから約10か月。ヒロユキさんはふたりめの伴侶と出会う。
「最初の女房は専業主婦願望の強い女性でした。ふたりめはフリーランスで仕事をしている自活している女性でした。それがちょっと気がかりではあったのですが……」
出会いはテニスサークルだった。ヒロユキさん主催の飲み会で幾度となく話すうちに彼女に惹かれていく。仕事をしているので、当然、ヒロユキさん以外の他の男性と話す機会も数多い。それがたまらなく嫌だった。
「公務員って、やっぱり安定した収入と身分もあって、家を借りるとか、結婚とか、そういうとき、やはり信用されるのだなと思います」

前の妻同様、一回目から結婚願望があることを伝え、デートを重ねること数回。見事、ゴールインを果たす。出会ってから3か月、離婚から1年と1か月後のことだった。
「結婚するんだから、わざわざ仕事などしなくていいだろうと。まず仕事を辞めてもらい、家庭に入ってもらいました。これまで仕事で費やしていた気遣いとか、そういうのを俺のほうに向けて欲しかったからです」
二度目の結婚生活は、そもそも職業観の違いに端を発する価値観の相違もあり、互いにその溝を埋めるための時間を取らなければならなかった。だが、後で振り返ると、それが結婚生活を長く続かせる結果となった。
「互いの価値観をまず理解する。それだけでも時間がかかります。それでどこが互いに合わないのか、それは折り合えるのか。そんな話し合いを続けていくこと、それで時間が経つわけですね」