警察庁「令和2年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等への対応状況について」によると、強制性交等及び強制わいせつの認知件数は、令和2(2020)年は強制性交等1,332件、強制わいせつ4,154件となっている。
また、内閣府「男女間における暴力に関する調査」(令和3年3月)において、これまでに無理やりに性交等された経験を聞いたところ、1回以上の被害経験がある女性は1803人、男性は1635人となっている。被害経験がある者のうち、被害について「どこ(だれ)にも相談しなかった」者は、女性は58.4%、男性は70.6%となっている。

これだけ多くの被害者がいる性暴力。では被害者を支えるためには、一体どうしたらいいのだろうか。
実名で性被害のサバイバーであることも告白し、長く被害者の支援をしてきた任意団体Praise the brave代表で、「#remetoo」の活動などもしている八幡真弓 さんに、支援する立場、そして被害を体験した立場から執筆いただく。

 

複雑性PTSDに悩む日々

私は、性暴力とDV被害者の支援者であり被害当事者だ。DV被害女性を支援する活動をする母のもとで育ち、中学生の頃から家の仕事を手伝うような感覚で支援活動に関わり30代になる頃には自らも支援側で仕事をするようになった。
そんな私が最後で最大の性被害にあったのは、30代前半の時だった。

当時、支援のかたわら全く別業界の仕事で独立もしていて、性被害はその業界の人間から受けた。

被害は1回ではなく長期に及んだ。その被害からはなんとか生き延びたが、その後のたくさんの時間を混乱と苦しみ、複雑性PTSDの症状の中で過ごすことになった。あまりの心の痛みを紛らわそうと、荒れた生活をおくることもあった。多くの時間を経て、苦しさに打ちのめされていた日々から抜け出そうと思えるようになってからも、またたくさんの時間が必要で、セラピーや治療にもたくさん取り組んだ。そのかいもあってか、ここ数年になってきてやっと複雑性PTSD症状ともある程度つきあい、落ち着いた生活が送れるようになってきた。

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症状に振り回されることが減り、少しは自分の意思で生活するということができるようになると、もっと安全なところまで自分を救い出したいと思うようになった。様々模索して、2018年頃からは性暴力やDV被害当事者をエンパワーメントするようなイベントを開催したりメッセージを発信したりする活動を始めた。