3期目の習近平政権まもなく発足
3月5日から13日まで、北京の人民大会堂で、年に一度の国会にあたる第14期全国人民代表大会第1回会議(以下「人大」=レンダー)が開かれている。13日午前中には、3期目の習近平政権が発足する。

毎年の「人大」で、われわれ外国人記者たちが特に注目するイベントが、3つある。一つ目は、初日の3月5日午前9時(北京時間)から、時の首相が行う「政府活動報告」である。
日本でその日のトップニュースになる「中国の今年のGDP目標」などは、ここで発表される。今年は李克強首相が、10回目にして最後となるスピーチを行った。
二つ目は、会期の前半に行われる外交部長(外相)による年に一度の記者会見である。時の外交部長は2時間以上かけて、内外の記者たちから出される外交政策に関する質問に答える。
今年は3月7日に、昨年12月30日に就任したばかりの秦剛外交部長が、初めての会見に臨む予定だ。
そして三つ目は、最終日の午前中に行われる、時の首相によるやはり年に一度の記者会見である。前任の胡錦涛政権の温家宝首相の時代は、4時間を超えることもあったが、李克強首相は「12時になると必ず昼食を取る習慣がある」(中国共産党関係者)とのことで、12時前後には切り上げる。
だが、李克強首相の会見は昨年が最後で、今回の「人大」でバトンタッチする李強新首相が、初めての記者会見に臨む予定だ。
これまでの新首相は、必ず5年間の副首相の経験を経て就任したため、中央政界になじんでいた。ところが「習近平新時代」とは、「実績より忠誠」なので、上海市党委書記を務めていた忠誠心の強い李強氏が、いきなり首相に抜擢された。いったいどんな会見になるのか、注目である。
おそらく「習近平総書記の指導に基づいて……」などと、「習近平」を連発するのではないか。