【追及スクープ】「大阪万博利権」に群がるヤバい人々…「普通に取材しただけで請求3000万円」「過去に高級車盗を繰り返していた創業者」

週刊現代, 森功 プロフィール

講演で語ったこととは

「再生医療に関してまず法律的なお話をしますと、実は平成25年に再生医療等安全性確保法が成立いたしました。iPS細胞を山中(伸弥京大教授)先生が見つけ、日本発の技術を世界に先駆けて発信する非常に画期的な法律ができました」

森下はそう前置きした上で万博に触れ、唐突に動物の再生医療についてこう軽口をたたいた。

「動物も同じ考えでいます。いまやペットと人がともに暮らす時代。2025年の大阪万博でも、(松井一郎)大阪市長が『私のトラ(猫の名)を一緒に連れてパビリオンに行きたい』と仰っています。で、経産省に思いっきり圧力をかけてですね、ひょっとしたら万博史上初めてペットと人が一緒に入れるパビリオンになるかも……」

発足した再生医療抗加齢研究会の事務局を務めるASメディカルは、福岡県で幹細胞の培養センターを運営し、東京でも動物向けの再生医療ペットクリニックを開いている。パビリオンのメインスポンサーであるサイエンスと同じく、ここも顧問の森下と一体となって動いているように感じる。

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アンチエイジングフェアでサイエンスとASメディカルグループが提携し、出展していたシャワーヘッド「ミラブルリボーン」について、サイエンス会長の青山恭明に尋ねた。

—資本参加はあるのでしょうか。どのような事業提携でしょうか。

「(互いに)資本参加はしていません。うちのミラブルを提供し、脱塩素の幹細胞スティック(上清液入りのカートリッジ)をセットして商品を出されているということです。われわれはそこ(再生医療)の部分についてはわかりませんのでね」

話を途中で打ち切られ、そのあといきなり3000万円を要求する通知書が届いた件は前回に触れた通りだ。が、実は彼らの異様な対応はそれだけではなかった。アンチエイジングフェアで講演していた森下に取材を申し入れ、待機しているとイベント終了の午後5時を過ぎ、会場を追い出されてしまった。

「週刊現代」2023年3月11・18日合併号より

後編『【追及スクープ】まるで「ルフィ」を彷彿とさせる被害約2億円の高級車窃盗団を…「大阪万博利権」に深入りする企業の「ヤバすぎる過去」』に続く。

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