誰よりも信じてあげる
プロテニス選手の杉山愛の母で、多くの両親への聞き取り調査も行ってきた一般社団法人・次世代SMILE協会代表理事の杉山芙沙子氏が言う。
「大人だって、同僚や知り合いと比較され、『誰それより劣っている』と言われたら、とても嫌な気持ちになります。それなのに子供のことはつい比べてしまう。
『あの家の子はスポーツもできて成績も良くてうらやましい』などと言われたら、子供の自尊心は深く傷つきます。親は、自分の子の可能性を誰よりも信じる『最後の砦』でなければならない。これは多くの『超一流』の親たちに共通しています」

兄弟やチームメイトをライバル視することで、飛躍的な成長を遂げることもある。だが、その相手はあくまで子供自身が見定めるべきなのだ。
「私が取材したご両親は皆一様に『子育てが楽しかった』と語っていました。結局、自分の理想を押し付けないで、成長の過程を一緒に楽しめる親御さんこそ、子供の才能を開花させる可能性を秘めているのだと思います」(スポーツライターの吉井妙子氏)
超一流を育てた親があえてやらなかったこと。そこから学べることは少なくない。
『週刊現代』2021年12月11・18日号より
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