2023.03.13

旦那から「殴られ、蹴られ」の壮絶な日々…激安キュウリを盗んで入所7度目の70代女性が明かしたヤバすぎる「犯行動機」

高齢女性受刑者の割合は30余年で10倍になった。罪名の9割は「窃盗」。彼女たちは、お金があっても「盗る」ことをやめられないという。そして、出所してもまた窃盗を繰り返し、刑務所に戻ってしまう。人生の集大成と言える時期を刑務所で過ごす高齢女性らの本音と服役の実態に、社会保障問題を追い続けてきたジャーナリストが迫る。

受刑者、刑務官ほか膨大な取材から描く迫真のルポルタージュ『塀の中のおばあさん』(著者:猪熊律子、角川新書)

はじめの記事【「刑務所での生活が嬉しい」…万引きを繰り返す30代女性が明かした衝撃の「過去」と「犯行動機」】 

『塀の中のおばあさん』(猪熊律子、KADOKAWA)

70代、入所七度目「トマトやキュウリ1本ぐらいで」

(*以下の文章はある女性受刑者の語りになります)

ここに入って2年近くになります。罪名は窃盗です。

お店のものを、100円かそこら盗んじゃったんですよ。トマトやキュウリ1本ぐらいでここに来ちゃった。場所はスーパーです。小さい店じゃできないんで。

Photo by iStock
 

主人がね、といっても、私にとっては二度目の亭主で、それも数年前に離婚したんですが、その人が酒乱でね。飲んで、殴る、蹴るをするんで。その腹いせっていうわけでもないんだけど、私もばかでやんなきゃいいのに、窃盗をしてしまって。

「ちょっとお客さん」と、店で呼び止められて。サーッと盗るんじゃなくてキョロキョロあちこち見て、大丈夫かな、大丈夫かなとドキドキしながら盗るから、すぐ捕まっちゃうんですよね。

刑務所にきたのはこれで七度目です。盗みを最初にしたのは50歳になる前の頃かな。いつもおんなじ刑ばっかり。万引きです。万引きの原因も同じなんです。亭主に殴られて。

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