2023.03.14

【閲覧注意】腹の中から被害者の肉体が…日本で最も寒い地域で血も凍る惨劇が起きた「昭和6年天理教布教師殺し事件」

近年は人気観光スポットとして注目を集め、名産のサフォーク(羊)に舌鼓を打つ観光客も多い、道北の士別。しかしこの地の真の名物は恐るべき人喰いヒグマたちだったのである。

道に残された血に染まった帽子

北海道でヒグマによる被害がもっとも多かった地域として、士別市が挙げられる。特に市西部の温根別村では、大正から昭和初期にかけて人喰い熊事件が多発した。なぜこの地域にヒグマの出没が集中したのかは、拙著『神々の復讐 人喰いヒグマたちの北海道開拓史』で指摘している通りだが、端的に言えばこの地域が「ヒグマの通り道だった」ことによる。

士別地方で広く言い伝えられてきた事件に「天理教殺し」がある。この事件は白昼堂々、市街地からほど近い場所で発生したことから目撃者も多く、討ち取られた熊が公衆の面前で解体されるなど、ショッキングな事件として長く語り継がれてきた。概略は『林』(1953年12月号)で犬飼哲夫教授が記録している通りである。

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「白昼に道路を通行中に熊にさらわれた青年がある。昭和六年十一月に上川郡温根別村にあったことで、午前十時頃道路から人のはげしい悲鳴が聞えたので、皆が駈け寄って見たら、道に小さな風呂敷包みと鮮血に染った帽子が落ちていて、誰かが熊に襲われたことが判り大騒ぎとなって捜索したところ、天理教布教師の原田重美さんという二十四才の青年であることが判った。この人が澱粉工場傍の道路上で出て来た熊と格闘したが力及ばず斃されたもので、道から附近の落葉松林の中に引き込まれ、内蔵を露出したまま埋められてあった」(「熊」)

  • 『成熟とともに限りある時を生きる』ドミニック・ローホー
  • 『世界で最初に飢えるのは日本』鈴木宣弘
  • 『志望校選びの参考書』矢野耕平
  • 『魚は数をかぞえられるか』バターワース
  • 『神々の復讐』中山茂大