日本の衝撃的な未来に備える…「1億総農民・1億総アーティスト」の時代がやってくるかもしれない

出生数80万人割れ、物価高・低賃金、増負担時代……人口激減&家計大苦難時代に私たちはどう生き延びることができるのか、日本の企業はどうすべきか?

話題の新刊『増税地獄 増負担時代を生き抜く経済学』(角川新書)の上梓した経済アナリスト・森永卓郎さんと、累計100万部突破シリーズの最新刊『未来の年表 業界大変化』(講談社現代新書)著者のジャーナリスト・河合雅司さんの特別対談後編!

(撮影:村田克己)

前編はこちら:「資本主義はあと2年でダメになる」「東京を捨てて逃げたほうがいい」…森永卓郎が本気でそう考える理由

(左)森永卓郎さん、(右)河合雅司さん

3年かけて実現した「自産自消」の生活

河合:人口が急激に減っていく中で都市から「地方」に移住する選択は魅力的である半面、物質的な便利さを享受できなくなりますよね。いざ実行に移すとなると、多くの人はためらってしまうのではないかと思うのですが。地方移住してみたものの理想と現実のギャップの大きさから大都市に戻る人も少なくありません。森永さんご自身の経験からいかがでしょうか?

森永:私は埼玉県所沢市の西部に、もう40年近く住んでいます。都心までは1時間半以上かかりますが、住宅費は10分の1以下です。都心からこのくらいの距離に位置する地域を、都会と田舎の中間という意味で「トカイナカ」と呼んでいます。

わが家は、近い将来に経済恐慌が起きても生活に困らないように、この3年間でさまざまな社会実験をして、「自産自消」のライフスタイルを構築しました。今では、畑に行けば農作物があるので食べ物には困りませんし、電気は太陽光パネルで発電できます。

河合:それはすごい! 徹底していますね。

森永:「あとは水だ」と思って井戸を掘ったのですが、うちの庭には水源がなかったようで断念しました。でも、隣の農家から井戸をお借りすることができるので大丈夫です。

河合:大規模な自然災害や経済恐慌がいつ到来しても、森永さんは生活には困らないですね。