2023.03.22

米中対決の「最前線」になってしまった…「核戦争の戦場」になるという「日本」の「ヤバすぎるリスク」

いま、ほとんどの日本人が知らないうちに、大変な事態が進行している。
米軍と自衛隊が一体になり、中国本土を攻撃することを想定した新型ミサイルを日本全土に配備しようとしているのだ。
しかも、米軍の新型ミサイルには将来、核弾頭が搭載される可能性も否定できない。
本双書第9巻で、密約研究の父である新原昭治氏がのべているように、アメリカにとって日本というのは、ずっと「アメリカの核戦争基地」だった。
それがいま、ついに最終局面を迎えているのだ。
このままでは、人類史上唯一の戦争被爆国である日本は、他国の軍隊(米軍)に核ミサイルを配備され、中国・ロシアとの「恐怖の均衡」の最前線に立たされてしまうかもしれない。
一方、その核ミサイルを発射する権利をもった在日米軍の主力部隊は、ハワイなど「安全地帯」へ一時撤退する構想すらある。
これほど愚かな国が歴史上、かつて存在しただろうか。
情報公開請求による独自の日本政府文書発掘で知られ、ジャーナリストとして第一線で活躍を続ける著者が、その計画の全貌を報告し、警鐘を鳴らす。

*本記事は『日米同盟・最後のリスク: なぜ米軍のミサイルが日本に配備されるのか』(創元社)から抜粋しています。
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日米一体で「敵基地攻撃能力」を強化

日本の安全保障を巡り、「敵基地攻撃能力の保有」の問題が大きな焦点となっています

「専守防衛」を掲げる日本はこれまで、外国領内を攻撃するための能力は保有してきませんでした。しかし、近年、迎撃が困難なミサイルが開発されていることを理由に、敵国領内の基地などを攻撃できる能力の保有に踏み出そうとしているのです。これに先駆けて、日本政府は既に、北朝鮮だけでなく中国本土も攻撃可能な射程距離を有するミサイルの開発を開始しています。

そして、もう一つ、日本の将来に非常に大きな影響を及ぼすにもかかわらず、まだあまり注目されていない重要な問題があります。それが、この本のメインテーマとなる、米軍の新型中距離ミサイルの日本への配備計画です。

私は、この二つの大きな問題は別々のものではなく、一体のものとして捉えるべきだと考えています。つまり、日米が一体となって、敵基地を攻撃するための中距離ミサイルを日本に配備しようとしているのです。