東大発の知識集団QuizKnockの河村・拓哉さん、須貝駿貴さんと、いま話題のミステリー小説『爆弾』が奇跡のコラボ。ミステリランキングのW受賞の上、本屋大賞にノミネートされた『爆弾』。「クイズ」の最先端で活躍する二人は、「クイズ」が爆弾の在り処を突き止める鍵となる『爆弾』をどう読み解いたのか。さらに、お二人の読書体験を交えながら、クイズとミステリー小説に共通する、謎解きの楽しみについても語っていただきました。

前編では二人が幼少期から読んできた本や、QuizKnockの活動に役立つ本についてたっぷりかたったお二人、後編では、「クイズ」がミステリーの鍵となる『爆弾』をどのように読んだのか。QuizKnockのみなさんが読むミステリー小説はなにかなど伺っていきます。

QuizKnock 河村拓哉さん
QuizKnock 須貝駿貴さん

※本インタビューは「小説現代2022年3月号」掲載の記事を再編集したものです。

QuizKnockメンバーと本の話をするのは

──QuizKnockのメンバーの間で「この本面白かったよ」と話をすることはありますか?

須貝 僕と河村さんの間ではないね!

河村 ないですね~。でも、動画の企画会議のときに話すことはありますよ。QuizKnock以外の面白い動画を参考にすることもありますが、それだとただの動画の再生産になってしまうので、動画以外で面白いコンテンツを持ち寄るんです。そのときに小説の話が出ることはありますね。

須貝 確かにホームズの『踊る人形』の暗号解読の企画(※1)はそうだよね。

 

──幅広く読まれているお二人にとって、呉勝浩さんの『爆弾』はいかがでしたか?

須貝 面白かったです!

河村 僕もすごく好きでした。

須貝 小学生の頃に読んだ課題図書よりはるかに面白かった(笑)。課題図書は人の気持ちを描くことに重きを置く本なのでしょうが、登場人物の気持ちを全く理解できなかった。だけど、『爆弾』の登場人物たちの気持ちは全員どこか共感できる。爆弾魔のタゴサクですら、僕にも似たところはあるな、と思わされてしまう。破壊的だし、すべての人を見下している。自分にも、そういう一面があることに気がつかされました。