2023.03.15

幸せな老夫婦の「憧れのタワマン生活」がわずか3ヵ月で破綻してしまった理由

タワマンの大規模修繕は困難

タワマンの大規模修繕は、おおよそ15~18年の周期といわれるが、これから首都圏では多くのタワマンで大規模修繕が予想される。

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一般的なマンションの大規模修繕の相場は国土交通省の「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、1回目は1戸当たり約100万円といわれるが、タワマンの場合はそれよりも高くなることが多い。たとえば次のような実例がある。

○エルザタワー55(埼玉県川口市)
1998年築、地上55階建て、高さ185m、総戸数650戸、1回目の大規模修繕費約12億円(1戸当たり185万円)
○センチュリーパークタワー(東京都中央区)
1999年築、地上54階建て、高さ180m、総戸数756戸、約17.7億円(1戸当たり231万円)
○ザ・ガーデンタワーズ(東京都江東区)
1997年築、地上39階建て、高さ134.3m、サンライズタワーとサンセットタワー2棟で構成、総戸数470戸、約8億円(1戸当たり170万円)

工事金額の総額が大きいため、長期修繕計画の試算が甘いと修繕積立金不足が起きやすい。特に物価上昇や消費税の増税を組み込めていなかった管理組合は、近年の工事費上昇についていけず、一時金の徴収や計画より遅い築20年前後で1回目の大規模修繕を実施するなどの対応をしている。

ただし、一般的なマンションの大規模修繕が10~15年周期に対して、タワマンは15~18年周期と後ろ延ばしが多く、1戸当たりは高くみえても実質的に安い場合もある。

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