男性ホルモンの低下は加齢による自然な現象
これまでにご紹介した通り、テストステロンが不足する状態を、性腺機能低下症と名付けていますが、ほとんどの場合は「病気」ではなく、ただ加齢によって体内のテストステロン量が低下する自然な現象です。
加齢によってテストステロンの分泌自体が低下するとともに、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)というテストステロンと結合する糖タンパク質の増加によって、有効なテストステロンがさらに少なくなります。これらによって、年をとると体が使えるテストステロンが少なくなりますが、それは自然な流れであり、病気ではありません。繰り返しますが、健常な男性でも加齢によるテストステロンの低下は自然の流れであるので、「テストステロンが少ないから病気だ」と短絡的に思わないでください。
けれど、中高年が筋肉を付けるには「テストステロンが少なくなっている」ということをしっかり意識して、それなりの工夫が必要です。加齢によるテストステロンの低下は、トレーニングや食事、生活習慣の見直しなどで、改善できる可能性があります。自然の衰えをそのまま受け取って我慢するか、昔のような元気な体を取り戻すかは、あなた次第です!
――ここまで、アナボリック・ホルモンと呼ばれる一群のホルモンの役割などを中心に見てきた。では、中高年が効率よく筋肉を付けるためには何をすれば良いのだろうか。後編<じつは50歳からでも「最強のボディ」を手に入れられる「衝撃的な食事法」があった…!>からは具体的な方法を見ていこう。
“中高年必携”の1冊、『50歳からの科学的「筋肉トレーニング」』では、男性の更年期(男性ホルモンの減少と性ホルモンのアンバランス化)と、それによるトレーニングと身体の関係の変化を解説。
さらに、著者によって工夫された、テストステロンの減少を抑え、筋肉を増やし贅肉を減らすのに効果的なトレーニング方法・メニュー、食生活の注意点、睡眠法などを一挙紹介!