マントルが地表に現れる場所
以上のように、地殻については比較的理解が進んでいる。その下のマントルはどうだろう。地殻の下に隠れていて、観察するのはなかなかむずかしそうだ。
しかし、マントルが地表に露出している場所もある。プレートどうしが衝突していて、めくれ上がっているところだ。
プレートというのは、地表を覆う十数枚の硬い岩板のこと。地殻とマントル最上部をふくみ、その下のいくらか流動性のある領域と区別される。
プレートはそれぞれ異なる向きに運動しており、そのため、ところどころで衝突している。衝突の結果、一方のプレートがめくれてしまい、そのプレートを構成するマントル最上部が地表に露出することがある(図4)。日本列島でも、千葉県の鴨川や北海道の日高山脈ではプレートがめくれ上がっていて、マントルの岩石が地表に現れている。

こうした場所で見つかるマントルの岩石はカンラン岩という。これは、ウグイス色(オリーブ色)の綺麗な鉱物(カンラン石)を主体とする岩石である。日高山脈の幌満岩体のように、風化の進んでいないマントルが観察できる場所では、このウグイス色の岩石が手に入る。
なお、カンラン岩の密度は1立方センチメートルあたり3.3グラム程度。マントルは地殻よりも重い岩石で構成されている。