近年、再びブームとなっている「地方移住」。自治体などによる支援事業も行われており、心豊かな生活を求めて新天地へと引っ越す家族も少なくない。
だが、その実情は決して甘くはない。今回取材に応じたのは、5年前、夫・陸人さん(仮名・33歳)がリストラされたのをきっかけに、地方移住を果たした佐久間久美さん(仮名・37歳)一家。
古民家を使った宿泊所を始めたいと考えた陸人さんは、地域の温泉旅館で研修を始めたのだが、あたかも「便利屋」のように雑用を押し付けられてしまった。さらに久美さんも、2歳に満たない幼い子供を抱えているにもかかわらず、お構いなしに近隣の人々に呼び出されるようになったという。
まるで「タクシー代わり」
前編に続いて、久美さんが語る。
「一番多かったのは運転手ですね。『ちょっと病院に行きたいんだけど』とか『町(商業施設のあるにぎやかな場所)まで買い物に連れてってくれないか?』って感じでタクシー代わりに使われるんです。
