インターバル速歩のやり方の根拠
インターバル速歩のやり方を要約すると、「視線は25m程度前方」に向け、「背筋を伸ばした姿勢」を保ち、足の踏み出しはできるだけ「大股」になるように行い「踵から着地」する。その際、「腕を直角に曲げ前後に大きく振る」と大股になりやすい、である。ここでは、これらのやり方の根拠を述べる。
まず、なぜ25mの前方を見るかだが、早足で歩いているので、前方の電柱などの障害物にぶつからないため、と考える方もおられると思う。しかしそれよりも背筋を伸ばしてもらうことが目的だ。これによって、大股で歩いたときの、前方への体重移動が容易になる。
次に、なぜ大股で歩くのかだが、こうすることによって、臀部から下肢に至るまで多くの、それも大きい筋群が運動に参加するからである。すなわち、臀部と下肢の筋群だけで全体重の1/3に相当するので、主に下肢だけを動かす、たとえば、ランニング、サイクリング、そして体力の低い中高年者ではウォーキング(速歩)でさえ、代謝量が安静時の最大5~8倍にまで上昇し、その人の体力の最大値に達してしまうのだ。すなわち、大股で歩くことは、下半身で多くの糖質・脂肪を燃やす手段なのだ。
さらに、なぜ踵から着地するのかだが、その一つの理由は、大股で歩くときは、どうしても大きく前へ踏み出した足への体重移動が遅れるから踵から着地せざるを得ないのだ。だから、踵から着地を「意識すれば」自然と大股になるというわけだ。
一方、踵から着地することで、踵が衝撃を受けてしまい損傷することを懸念される読者もおられるかもしれない。しかし、体重をすばやく前足に移動するようにすれば、それは十分防げるだろう。
また、高齢になると脛の筋肉が衰えて、つま先が下がり、つまずいて転倒してしまうことが多いが、大股で歩いて踵から着地しようとすることによって、つま先をおのずと上げようとするからつまずくことはないし、その調子でインターバル速歩をすれば脛の筋肉が鍛えられ将来の転倒の予防になる。