発達障害を抱える子どもたち…「5歳・9歳・13~14歳」の時期がとくに要注意といえる理由
2022年12月、文部科学省は「通常学級に在籍する公立小中学生の8.8%に発達障害の可能性がある」という調査結果を発表し、大きなニュースとなりました。立ち歩きする、イライラしやすい、友達に手をあげる――ともすると「問題児」として扱われてしまう子どもたちにどのような声かけ・接し方をすればよいのでしょうか。
小嶋悠紀さんが上梓し、発売前から増刷が決まった話題の本『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全』から紹介します。小嶋さんは特別支援教育のセミナー講師として全国で活躍中の元小学校教諭。現場で実際に役立った見方、考え方やスキルだけを厳選しました(イラスト・漫画:かなしろにゃんこ。)。
本記事では、発達障害のある子どもたちを上手に支援するための「目のつけどころ」と原則について取り上げます。
注意すべき時期がある
発達障害の子と関わるうえで、とくに注意が必要な年齢が3つあります。それが5歳(幼稚園年中)、9歳(小学校の中学年)、13~14歳(中学校入学後)の3つです。

5歳は、集団に適応できるかどうかがハッキリと見えてくる時期です。この時期に困っている子が見つかれば、すぐに支援を開始できるので、保護者にも幼稚園・保育園の先生にも、この年齢の重要性をはっきりと認識してもらいたいと思います。
次が9歳。小学3~4年生で不登校になる子が、とくに女子に多く出てきます。
そして最後が13~14歳、とくに中学1年生の中盤ぐらいで、この年齢でも、ちょっと心が折れて不登校になる発達障害の子があらわれます。
とくに注意してほしいのが、「真面目」な「女子」です。
大人は「暴力的」「立ち歩きをする」など、問題行動をくり返す子に目を向けがちですが、真面目でおとなしい子ほど、様子をよく観察する必要があります。
真面目な子は、「過剰適応」(無理をして集団に適応しようとすること)に陥っていることがあります。無理を続けて疲弊して限界に達すると不登校になり、そこから抜け出せなくなります。
ですから、真面目に見える子(そのなかでも、とくに女子)が本当に大丈夫なのかどうか、9歳および13~14歳ごろによく見る必要があるのです。