2023.03.16

発達障害の子と話すときに「大人が絶対にやってはいけない」NG行動があった…!

2022年12月、文部科学省は「通常学級に在籍する公立小中学生の8.8%に発達障害の可能性がある」という調査結果を発表し、大きなニュースとなりました。立ち歩きする、イライラしやすい、友達に手をあげる――ともすると「問題児」として扱われてしまう子どもたちにどのような声かけ・接し方をすればよいのでしょうか。

小嶋悠紀さんが上梓し、発売前から増刷が決まった話題の本『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全』から紹介します。小嶋さんは特別支援教育のセミナー講師として全国で活躍中の元小学校教諭。現場で実際に役立った見方、考え方やスキルだけを厳選しました(イラスト・漫画:かなしろにゃんこ。)。

記事前編【発達障害を抱える子どもたち…「5歳・9歳・13~14歳」の時期がとくに要注意といえる理由】に続き、発達障害のある子どもたちを上手に支援するための「目のつけどころ」と原則について取り上げます。

『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル』(著:小嶋悠紀、イラスト・漫画:かなしろにゃんこ。)

大人は必ず「CCQ」を保つ

忙しい大人は、つい、次のマンガのように離れたところから指示を出したり、何となくほめ言葉をかけたり、といった接し方をしがちです。

『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全』より

でも、それではいけません。

発達障害がある子とコミュニケーションをとるときの基本は、

Calm =穏やかに
Close=近づいて
Quiet=静かに

です。頭文字をとって「CCQ」と呼んでいますが、大前提としてこれが守られていないと、何を言っても通じないと思ってください。マンガのように、たまたま指示が伝わることは、あるかもしれません。でも、そのあとの「ほめ言葉」は、おそらく子どもの脳には届いていないでしょう。

伝えたいことを確実に子どもに届けたいのであれば、必ず近くに行って、目を合わせて、穏やかに伝えなければいけないのです。

ちなみにCCQは、大人に対する戒めでもあります。大人が先に興奮しては、しつけや教育などできません。「子どもより先に興奮しない」というのも、大人が身につけておきたい大切なスキルです。CCQを心がければ、そのような姿勢が自然と身につきます。

  • 『成熟とともに限りある時を生きる』ドミニック・ローホー
  • 『世界で最初に飢えるのは日本』鈴木宣弘
  • 『志望校選びの参考書』矢野耕平
  • 『魚は数をかぞえられるか』バターワース
  • 『神々の復讐』中山茂大