発達障害の子と話すときに「大人が絶対にやってはいけない」NG行動があった…!
2022年12月、文部科学省は「通常学級に在籍する公立小中学生の8.8%に発達障害の可能性がある」という調査結果を発表し、大きなニュースとなりました。立ち歩きする、イライラしやすい、友達に手をあげる――ともすると「問題児」として扱われてしまう子どもたちにどのような声かけ・接し方をすればよいのでしょうか。
小嶋悠紀さんが上梓し、発売前から増刷が決まった話題の本『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全』から紹介します。小嶋さんは特別支援教育のセミナー講師として全国で活躍中の元小学校教諭。現場で実際に役立った見方、考え方やスキルだけを厳選しました(イラスト・漫画:かなしろにゃんこ。)。
記事前編【発達障害を抱える子どもたち…「5歳・9歳・13~14歳」の時期がとくに要注意といえる理由】に続き、発達障害のある子どもたちを上手に支援するための「目のつけどころ」と原則について取り上げます。
大人は必ず「CCQ」を保つ
忙しい大人は、つい、次のマンガのように離れたところから指示を出したり、何となくほめ言葉をかけたり、といった接し方をしがちです。

でも、それではいけません。
発達障害がある子とコミュニケーションをとるときの基本は、
Close=近づいて
Quiet=静かに
です。頭文字をとって「CCQ」と呼んでいますが、大前提としてこれが守られていないと、何を言っても通じないと思ってください。マンガのように、たまたま指示が伝わることは、あるかもしれません。でも、そのあとの「ほめ言葉」は、おそらく子どもの脳には届いていないでしょう。
伝えたいことを確実に子どもに届けたいのであれば、必ず近くに行って、目を合わせて、穏やかに伝えなければいけないのです。
ちなみにCCQは、大人に対する戒めでもあります。大人が先に興奮しては、しつけや教育などできません。「子どもより先に興奮しない」というのも、大人が身につけておきたい大切なスキルです。CCQを心がければ、そのような姿勢が自然と身につきます。