2023.03.15
除名決定のガーシー、漫画「サンクチュアリ」から構想した「ネオトウキョウ構想」とは?《元朝日記者の集中連載》
悪党 潜入300日ガーシーこと東谷義和(51歳)=敬称略=のインタビュー原稿をめぐる対応で朝日新聞の所属部署と衝突し、昨年8月末で朝日新聞社を退職した筆者・伊藤喜之は、その後もドバイに引き続き住み、取材を継続させてきた。
1年近くの取材の成果をまとめた『悪党 潜入300日 ドバイ・ガーシー一味』(講談社+α新書)が3月17日に発売される。本書でも触れられなかったエピソードも含め、マスコミでは報じられていない「ガーシー」の実像を伝えていく。《連載第3回》
ドバイの総領事館での発言
前回、私はガーシーこと東谷義和=敬称略=を無垢だととらえていることを書いた。「彼の性格と今、議員として問題視されていることは無関係だ」「無垢だから許されると思っているのか」などと批判的なコメントを相当多数受けたが、私はそうは思わない。
帰国する帰国しないといった世間を引っ掻き回してしまうようなところも含めて、東谷の性格が相当関係していると思う。こうした人物理解のためにも、もうしばらく私が遭遇した東谷のエピソードを伝えさせてほしい。

「ネオトウキョウという日本人街をドバイにつくりたいんですよ。チャイナタウンのように日本人が安心して集まって暮らせるような街が必要だと思うんです。そのための協力をいただけませんか」
「(僕が人脈がある)日本や韓国のアーティストを連れてきて、音楽フェスなども開催したい。日本のエンターテイメントの振興にもなると思うんで」
昨年11月22日、東谷がドバイの日本総領事館に総領事を表敬訪問した時のやり取りだ。私は総領事のS氏と新聞記者時代から取材などでお世話になっていたこともあり、東谷から紹介を依頼され、引き合わせた。その席上で、東谷はこう持ちかけたのだった。