ソフトバンクへの打撃
3月8日、米シルバーゲート銀行は事業を清算した。
10日には全米16位のシリコンバレー銀行、12日には同29位のシグネチャー銀行が破たんした。
特に、シリコンバレー銀行の破たんは、IT関連のスタートアップ企業に積極的に投資してきたソフトバンクグループ(SBG)にとって大きな環境変化だ。
規模は小さいもののシリコンバレー銀行などと取引を行った本邦企業に何らかの負の影響が及ぶ恐れは高まった。

一連の銀行破たんの背景には、2022年3月以降のFRBによる急速な利上げによって米金利が上昇し、過度なリスクテイクが裏目に出たことがある。
IT先端分野のスタートアップ企業の株価高騰など、強気相場は終焉を迎えつつある。
それは、過去にも繰り返されてきた。
ただ、今回は米国を中心に物価が高止まりしている。
それは2000年9月の米ITバブル崩壊、2008年9月のリーマンショック発生時の状況と決定的に異なる。
今後、米国で中小の金融機関の追加的な破たんが発生する可能性はある。
ITスタートアップ企業の業績も悪化するだろう。
それによって今すぐに米国経済が腰折れになるとは考えづらいものの、先行き不透明感は高まる。
投資環境の不安定感高まる中でSBGがどのようにリスク管理を強化し、新しい成長分野を開拓するかが注目される。