「捏造」を主張する高市早苗大臣が「変造」で刑事告発されていた件、ついに捜査開始へ
意固地が生み出したもうひとつの「危機」
高市早苗・経済安全保障担当相の「孤独な戦い」が続いている。
参議院予算委員会で3月13日、立憲民主党の福山哲郎議員は、問題となっている2015年2月13日付の「高市(総務)大臣レク(説明)結果(政治的公平について)」という行政文書について、総務省側から「レクがあった可能性が高い」という発言を引き出した。
それをもとに福山氏は「この紙(行政文書)は捏造ではない」と高市氏に迫ると、氏は「不正確だ」と反論。説明が冗漫なので、末松信介委員長が「答弁は簡潔に」と遮ると、「私は今まで我慢してきた」と反発し、「私が話したという事実が一切ないことを、自信を持って申し上げる」などと、持論を展開した。

11日から13日にかけて行われた共同通信の世論調査では、高市氏の一連の「(行政文書が)不正確で捏造」という説明に対し、「納得できない」という回答が73%に達した。官僚がありもしない「大臣レク」をでっち上げる意味がない、と思うのが一般的な市民感覚ということだろう。そうした雰囲気を察知した自民党からも「高市さんは初期対応を間違った」(中堅代議士)という声が聞かれる。
「捏造でなければ辞任する」という発言を引き出した野党は議員辞職を求め、総務省は呆れたようにかつての大臣を半ば見放し、自民党には“助け船”を出そうという気がなく、なにより国民が自らの常識に照らして一連の「高市発言」を信用していない。
まさに四面楚歌だが、高市氏の「意固地」が引き出した危機といっていい。
皮肉にもその意固地が、もうひとつの危機を生み出している。高市氏は政治資金規正法違反を逃れようと、秘書と共謀の上、収支報告書などを変造したとして、3月6日、神戸学院大学の上脇博之教授に「有印私文書変造・同行使罪」で、奈良地方検察庁に刑事告発されたのである。