2023.03.18
# 本 # エンタメ

「ロシア側に立つ発言をするとすぐ炎上するけれど…」太田光が明かす「強烈な違和感」と「平和への想い」

「爆笑問題」のボケとしてお笑いの最前線を走り続けるだけでなく、コメンテーターとしても活躍している太田光さん。このほど出版された小説『笑って人類!』では、近未来の世界を舞台に「世界平和」を実現する方法を本気で考えたという。

前編記事『「恐妻家の設定は自分と同じ(笑)」爆笑問題・太田光が小説で描いた「ユーモラスな未来」』に引き続き、作品に込めた思いや設定の裏側について伺った。

取材・文:佐藤太志

 

世界平和をどのように捉えるか

—国際社会と対峙するテロ国家の人々の描かれ方も繊細で、異なる価値観で生きる人たちがいることに気づかされます。

今ならロシア側に立つ発言をするとすぐ炎上しますが、片側だけを重視し、反対側の意見を封殺していいのか、いつも疑問を感じています。まず理解を試みる姿勢が必要だと思うんです。

問題の背景には何があるのか、起源に迫らないときっと何もわからない。中東問題やアメリカ同時多発テロ事件について調べた時は、まず中東の歴史書やイスラム教の経典『コーラン』を読みました。統一教会問題が話題になり始めた時は、教理の解説書『原理講論』にも目を通しました。

国のトップに立つ人でも、自分たちが今進めていることが何から始まったのか、十分に理解しておらず、流されるままに状況が進んでいる現実があるように感じます。それが争いのもとになっている可能性は大いにある。

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