食のスペシャリスト&グルメに精通する識者で構成される「FRaU Foodies」が、今イチオシの料理やスイーツなどをお届けします。今回は、音楽界の“グルメ番長”ホフディランの小宮山雄飛さんが、見た目もかわいいとおすすめしてくれた台湾軽食店をご紹介。レトロな雰囲気も含めて楽しめること間違いなし!

小宮山雄飛さんのおすすめグルメ一覧▶︎

 

台湾の昔ながらの味を現代にアレンジ

「最近流行りのガチ中華の台湾版。そのまま台北の街角にありそうなポップな見た目がかわいいお店です」

雄飛さんイチオシのお店は、新宿に2021年6月にオープンした「合作社(がっさくしゃ)」。合作社とは台湾語で学校にある「購買部」の意味。食堂や雑貨の販売など学生がこぞって集まっていた場所が由来です。

オーナーの黄 璽安(コウ ジアン)さんは台中出身。祖父や祖母が作ってくれた料理を現代風にアレンジしています。それもあってか、店内もどこかノスタルジックな雰囲気が漂っています。

「店内はレトロ台湾風になっています。お客さんは台湾の学生が多そうですが、台湾好きな日本人女性も多く、行列ができることもある人気店です」

このレトロな内装は、「子ども時代を忘れないように」という思いから、台湾の駄菓子屋を意識して作ったそう。それでいて、お店を入って右手にはネオンサインがあったりして。インスタ映えするポイントを挟み込み、料理のみならず内観にも現代の要素を取り入れています。

飛ぶぞ本場味ルーロー飯 580円+味玉110円

雄飛さんのおすすめ料理はルーロー飯。

「給食の配膳のようなお盆と食器で出されるルーロー飯は、メニューに『飛ぶぞ本場味ルーロー飯』と書かれてあります。量が小ぶりな一杯ですが、食べてみるとめっちゃ本場の味がする! さすがに飛びはしませんでしたが、八角などの香りがしっかり効いていて、まさに本場台湾の食堂で食べた“あの味”そのもの。甘さと塩っぱさがなんとも絶妙なバランスです」

ルーロー飯は、お茶碗一杯分の程よいサイズで提供されます。ポイントは、オリジナルソース。台湾の甘めの醤油をベースにし、豚の皮、エシャロットやネギ、にんにくなどが入っていて、豚肉の旨みを引き立たせています。

また、豚の脂身を少なめにしていることから、くどさもなく見た目よりあっさり。上にのったパクチーもアクセントになっていて、ぺろりと食べられます。

「食べる前は正直この値段でこのサイズはちょっと高いかな……などと思っていたのですが、この味だったら全然納得。むしろあれこれ食べられて、これくらいのスナック感覚の方がうれしいくらいです」

このサイズ感こそが「合作社」の真骨頂。いろいろ料理を食べられるようにとポーションを小さめにし、大盛りもなし。定食も用意していません。しかも、昼と夜で値段は変えず。休憩時間もないので、いつでも気軽に入れます。