米国は、どうするか。
先のウォール・ストリート・ジャーナルによれば、ジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は「それ(中国の介入)は、いいことだ。中国の接近がバランスのとれた展望をもたらす。我々は、中国がロシアに致命的な武器を供与しないように望んでいる。その点は警告してきた」と記者団に語った。
だが、このコメントには「負け惜しみ」のニュアンスがある。バイデン政権は支援に腰が引けている以上、戦闘態勢を変えていないウクライナに、前向きなインセンティブを与えられない。せいぜい「オレたちがいなくなったら、どうするのか」と語るだけだ。
日本についても、書いておこう。
もしも、中国の介入で停戦気運が高まってしまったら、岸田文雄政権は5月の広島サミットで何を語るのか。このままだと、サミットまでにゼレンスキー大統領との会談さえ実現するかどうか、あやしい。そんな状態で、ロシアや中国に「国際ルールを守れ」とか「核なき世界を目指す」などとお題目を並べているようでは、まったく話にならない。
3月14日に配信したニコ生番組「長谷川幸洋Tonight」は、筑波大学名誉教授の中村逸郎さんをゲストにお迎えして、ウクライナ戦争をめぐるロシアと中国の思惑を中心に議論しました。衝撃の展開です。
また15日に配信したYouTube番組「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」は、私の1人語りで「米国の対中抑止・制裁法案」について、16日には「習近平総書記のロシア訪問とウクライナ戦争の行方」について解説しました。いずれも、ぜひご覧ください。