私は、このような私に大変辟易しております
「しずはしずのままでいいんだよ」
と、真顔で言われました。それはそうでしょう。私だってそうです。
私が、あなたの立場だったら、ユニークで失敗が多くてどことなく奇妙で朗らかな友達は、さぞかし面白くて、とっても良いでしょう。ずうっと変わらずにいてほしいですし、人格も丸ごと肯定してあげたい。それは「個性」だよ、と是非とも教えて差し上げたい。クラス一丸となって”素晴らしいで賞”を贈呈したい。
しかし、それが自分だったらどうか。
「ご勘弁ください」
私は、このような私に大変辟易しております、迷惑をしております。私だってあなたのように無個性になり、少しでも快適に毎日を送り生活や労働をのびのびと繰り広げたいと思っているのです。私は、面白いロボットではありません。(面白いという点は、確かにそうかもしれませんが)
これは視力矯正のために眼鏡をかけている人物に「眼鏡なんてしないほうがかわいいよ‼」と言うのと大体同じです。そんなことは、本人が、一番、よく、分かっている。本人は既に選択しているのだからなにも口を出さないほうがいい。一度も視力に困ったことがないのであれば余計に。

鑑賞する立場からすれば単純な問題ですが、本人には本人の事情がある。
ただこれが、ただただ「良かれ……‼」であるということは、痛いほど伝わってくるのでそれ以上は何も申し上げることができない。気持ちは、とても、ありがたい。
いや、ありがたくはない。ありがたいとは、「滅多にないことである」という意味で、それが嬉しいとは限らない。滅多にないという評価も実際かなり、盛ってはいる。