2児の母でありながら、現在までに2社起業。2000人以上の子どもを有名小学校合格に導いてきた実績を持つ、小学校受験専門オンラインサロン『コノユメ』主宰の大原英子さんに、「未来を切り開く力」を付けるための子育ての極意を教えていただく連載。
今回はアナログの大事さについて。私たち大人は日付や時間をケータイやPCなどのデジタルデバイスで確認しがちですが、時間感覚や季節感が身についていない子どもたちにとっては時計やカレンダーといったアナログなもので「可視化」されていることが理解につながると、大原先生は考えます。
日付を意識する機会がない子どもたち
授業で子どもたちに
「今日は何月何日ですか」
と聞くと、すぐに答えが返ってこないことがあります。日にちを忘れてしまった、ということではなく、そもそも今日が何月何日かに興味がなく、何月かも答えられない子も少なくありません。それもそのはず、子ども達の周りにはカレンダーもなく日付を意識するきっかけがないのです。

小学校受験を目指す子どもたちは、受験に向けて季節の花や行事を知識として学んでいます。
しかし、今日が何月何日か分からなければ、知識と実際の日付が紐づいていない状況です。たとえば、今日は「3月3日」と理解していれば、ひなまつりがあり、桃の花が咲き、葉が落ちた木には葉っぱの芽が出始めている、ということが体験と結びつきます。知識を机上で学ぶことも大事ですが、生活の中で気づき、学び、体験が伴った生きる知恵にしていきたいものです。
カレンダーで学べること
皆さんのご自宅には目につくところにカレンダーがありますか。最近は、スマートフォンでスケジュール管理をする方が多くなり、親がカレンダーを見る必要がなくなったので、私達の世代が子どもの頃には当たり前のようにあったカレンダーが、家の中にないご家庭が増えています。
カレンダーに予定が書いてあると、
「あと何日でお出かけだね」
「明日は月曜日だから幼稚園や保育園があるね。準備をしよう」
など、会話が生まれます。そして、「明日」「明後日」など日付に関する言葉を覚えたり、曜日や1週間、1か月という単位を自然に身に着けたりすることができます。
また、その月に関連する写真やイラストがあるカレンダーであれば、「お正月」「節分」「雛祭り」などの年中行事への興味や、その行事がいつなのかという理解に繋がりますね。
今カレンダーがないご家庭は、購入せず、カレンダーを手作りすることもおすすめです。ご両親が日にちや曜日を書き、子どもは上のスペースにその月の行事や花を描いたり、折り紙や画用紙で制作したものを貼ったりして、壁に飾ります。日付の感覚を身に着けるだけでなく、季節行事を学んだり、絵を描くきっかけにもなります。そのカレンダーを残しておけば親子の宝物になります。