日本人が「絶滅」する前に…政治家もマスコミも誤解している、人口減少「本当の対策」

超党派議連設立、ようやく議論が始まる

「出生数80万人割れ」という衝撃的なニュースの余韻が残る中、3月14日に超党派の「人口減少時代を乗り切る戦略を考える議員連盟」が設立された。

この議連は何を目指すのか。人口減少問題にはどのような対策が求められるのか。ベストセラー未来の年表 業界大変化 瀬戸際の日本で起きること著者で議連の特別顧問に就任した河合雅司氏が明かす。

人口減少問題という「超長期国難」

自民党、公明党、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党など超党派の国会議員による「人口減少時代を乗り切る戦略を考える議員連盟」(人口減少戦略議連)が発足した。

会長に就任した野田聖子前こども政策担当相は設立総会で「(当面の)人口減少に備えて今から何をしていくのかしっかり考えたい」と述べるとともに「具体的な答えを出していきたい」とあいさつした。

人口減少戦略議連の会長に就任した野田聖子衆議院議員

この議連は、拙著『未来の年表』で提唱した「人口減少対策会議」構想に賛同する一部の国会議員有志が各党に呼び掛けて誕生した。筆者は同議連の要請を受けて特別顧問に就任した。

「人口減少対策会議」構想とは、人口減少によって起きるさまざまな社会課題対応すべく、全行政分野の課題を洗い出し、具体的な政策を練り上げる議論の場を設けようというものだ。最終的には、衆議院議員と参議院議員が一堂に会して議論できるよう国家基本政策委員会(党首討論を行う委員会)における専門委員会をイメージしている。

こうしたアイデアが現実のものとなるかどうかは、この議連の今後の議論にゆだねられるが、党派の立場を超え、国家を挙げて人口減少に伴う課題を解決しようという機運が盛り上がってきたことは大きな前進である。

議連の当面最大の目的は、国民的な「議論の場」をつくることにある。人口減少問題というのは超長期に及ぶ「国難」であり、世代がリレーしながら検討を進めていく必要もある。このため、参加メンバーは国会議員らに限らない。3月14日の設立総会には地方議会議員や各省庁の若手官僚、さらには多くの大学生、高校生も参加した。