なぜ戦争が起きるのか? 地理的条件は世界をどう動かしてきたのか?
「そもそも」「なぜ」から根本的に問いなおす地政学の新たな入門書『戦争の地政学』が話題になっている。
地政学の視点から「戦争の構造」を深く読み解いてわかることとは?
「プーチンの頭脳」の思想とは
ロシアのウクライナ侵攻から1年あまりが経過した。
なぜ、いまだに戦争が続いているのだろうか。
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ロシアのプーチン大統領に大きな影響を与えた人物として、アレクサンドル・ドゥーギンが注目された。
「プーチンの頭脳」とも称されるドゥーギンの思想とは――。
〈2022年のロシアのウクライナ侵攻後も、ドゥーギンによって代表される「ユーラシア主義」の思想の影響が取りざたされた。ドゥーギンは、過激なウクライナ併合主義者である。
ユーラシア主義の思想によれば、ユーラシア大陸の中央部に、共通の文化的紐帯を持つ共同体が存在する。ユーラシア大陸の中央に、ロシアを中心とする広域政治共同体が存在する。
この信念にしたがうと、中央アジア諸国やコーカサス地方の諸国のみならず、ウクライナのような東欧の旧ソ連圏の諸国は、ロシアを盟主とするユーラシア主義の運動に参加しなければならない。あるいは参加するのが本来の自然な姿だ、ということになる。〉(『戦争の地政学』より)
ウクライナはロシアの一部であるべきだというプーチンの論文が話題になったこともあるが、その背景には何があるのだろうか。