「子供を産むことは、女性に負担が大きい。妻が妊娠、出産期間中に浮気をする夫も多いです。制度も大切ですが、モラルの教育も大切だと感じます」と語るのは、浮気調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の山村佳子さん。

2022年の出生数が80万人を割り込み、少子化の深刻化が叫ばれている。岸田首相は3月17日、首相官邸で子供政策をテーマに記者会見を開いた。出生率の向上を目指し、育児休業制度を改革する考えを表明。産後の一定期間に男女で育休を取得すれば、給付率を手取りの100%に引き上げるなど、育休を取りやすい制度に改めるという。また、男性の育休取得率目標を「2025年度に50%、30年度に85%」に引き上げると述べた。

今回の依頼者は美幸さん(30歳)。美容師で高校の先輩である夫との間に3歳の娘と6カ月の息子がいる。夫が店休日にも工事だなんだと理由を付けて外出することを不審に思い、調査を依頼。
前編「2人目妊娠で解雇、夫の浮気にモラハラ…高卒30歳女性が絶望するまで」では、社会的にも夫からもいじめに遭っているようなひどい状況をお伝えした。美幸さんは夫から「娘が一人っ子ではかわいそうだ。少子高齢化に貢献したい」と言われて、2人目を妊娠。すると、勤務先の小売店に「子供が2人もいると他の人に迷惑をかける」と解雇されてしまう。それにもかかわらず、夫は家に入れる生活費を増額しないし、美幸さんの化粧品代や洋服代すら出そうとしない。それどころか、自分だけはブランドの服を買い、おしゃれをしたり、妻を実家に泊まらせようとするなど、明らかな浮気を示す行動をみせるのだ。経済DVとモラハラ発言を繰り返す夫の弱みを握るために調査を開始した。

 

顔が小さくスタイルのいいイケメン夫

夫は水曜日が店休日なので、その日を狙って調査を開始。朝、7時から自宅アパート前で張り込みをスタート。築30年ですが専有面積が広いアパートで、依頼者・美幸さんの堅実な暮らしぶりが伺えます。

9時に夫は出て来て、3歳の娘を幼稚園に送ります。娘はパパっ子のようで、300m歩く間、何度も抱っこをせがんでいました。そして、娘の額にキスをしてお見送り。夫は顔が小さいので、写真で見るよりも小柄ですが、均整の取れたプロポーションをしており、とてもカッコいい。よく、容姿が優れた人を形容するときに「いい匂いがしそう」と言いますが、まさに夫はそういうタイプの人でした。

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娘と門前で別れると、地元の駅へ向かい、都心方面の電車に乗り込みます。一時間半ほどかけて、渋谷駅に到着。デパートなファッションビルをフラフラしていました。
そして、11時30分になると、デパ地下で総菜を買い、東横線に乗って都立大学駅へ。駅から15分ほど歩いた古いマンションに入っていきました。

インターフォンを鳴らすと、髪の長い女性が出て来て、夫に抱きつきます。夫はマンションの部屋の中に入り、しばらくすると浮気の確たる証拠を示す音声が。古いマンションは構造的にドアからの音漏れが激しいので、録音に成功してしまいました。