仕事も休職に追い込まれた慢性頭痛が改善! 100万人以上が悩むと推定されるMOH(薬の使い過ぎによる頭痛)を改善する鍼灸(しんきゅう)治療

桜の開花も始まり、春本番を迎えた日本列島。しかし、季節の変わり目のこの時期に心身の不調を訴える人は少なくない。低気圧や寒暖差による「頭痛」や「疲労」、4月から始まる新生活へのストレスや不安による「不眠」や「メンタルの不調」など、誰もがリスクを抱えていると言っても過言ではない。

いま、こうした心身の不調への解決策として、日本のみならず世界でも注目を集めているのが、漢方薬や鍼灸治療、そしてヨガなどの「東洋医学」であることをご存じだろうか。最新科学で分かってきた効果の秘密、そして、医療現場などでの導入事例などをもとに、治療やセルフケアの最前線に迫っていく。

東洋医学ホントのチカラ取材班

推定患者100万人以上⁉ 「薬の使いすぎによる頭痛」を救う鍼のチカラとは?

日本で少なくとも3000万人が悩むとされる頭痛。まさに国民病と言っても過言ではない深刻な状況となっている。主なタイプには、肩こりなどが原因の緊張型頭痛や、激しい痛みが定期的に生じる片頭痛があるが、この2つのタイプの次に患者数が多い頭痛が「薬の使いすぎによる頭痛(以下MOH)」だ。

頭痛薬イメージ/NHK提供
 

最近まで、詳しい調査が行われていなかったが、2021年に新潟県の糸魚川総合病院の研究チームが発表した日本で初めてのアンケート調査によると、25歳~64歳の5,865人のうち136人がMOHに該当。有病率が2.2%に上ることが分かったのだ。この数字を当てはめると、日本では少なくとも100万人以上がMOHということになる。

関連記事