自然を守ることや、働き手の人権を大切にすることは、ものづくりの新しい基準です。10人のアドバイザーと選んだ、意志ある作り手による衣食住のアイテム。今回は、ファッションアイテムの中からおすすめをご紹介します。私たち消費者にできるのは買い支えること。買いものは未来を変える投票です!
アドバイザーの皆さんは…
相馬夕輝(〈D&DEPARTMENT〉ディレクター) エバンズ亜莉沙(エシカルコーディネーター) 長田佳子(菓子研究家) 岸紅子(ウェルネスプロデューサー) 清水彩(フリーランスPR、ディレクター) 寺澤太郎(フォトグラファー) 中田由美(インテリアスタイリスト) 服部雄一郎(翻訳者) 早坂香須子(メイクアップアーティスト) 行方ひさこ(ブランディングディレクター)
高コスト、非効率……etc.。
受注生産が生むデメリット解消に挑む

大量生産、大量消費をはじめ、ファッション産業が抱える課題と向き合う〈シングス ザット マター〉は、必要な人に必要な分だけを届ける受注生産を行う。一方で生まれる非効率な側面は、縫製現場への継続的な発注によってカバー。作り手にもメリットを生む仕組みを追求する。コスト上昇においては、原料調達から縫製まで自社で一貫することで低減。中綿に再生ポリエステルとセルロース系繊維を採用したブルゾンほか、環境に配慮したアイテムが揃う。
作り手の署名を印刷。
「信用タグ」で生産背景を可視化

サステナブルという概念の浸透とともに、作り手の姿勢も買い手の意識も大きく変わりつつある今、〈イコーランド〉が最も大切にするのが“信用”。再生ポリエステル製の大きなタグには、綿花生産者、技術者、デザイナーなど、製造に携わるプレイヤーの自筆署名を印刷。一枚の服が誰の手により作られているのかを、ユニークな発想で伝える。地球にやさしい生地開発、受注生産、買い物と寄付が同時にできるドネーションを導入するなど、あらゆる面から課題解決を目指す。
インドネシアの村で働く
女性たちによるハンドメイド

劣悪な環境下で低賃金かつ長時間労働を強いられるなど、途上国の縫製工場における女性の労働搾取は深刻だ。そんな現状を変えるべく、 経済学者でありブランド創設者のデニカ・リアディーニ氏は、インドネシア全土の村で働く母親たちに、工芸、デザイン、ビジネススキルのトレーニングを行う。〈スッカチッタ〉は高い環境基準と透明性が評価され、インドネシア初の「B Corp」認証を取得。