2023.03.21
天皇は「朝、何時に起きていたか」「起きて何をしていたか」? 女官が目撃した「意外な習慣」
女官が見た朝の生活
さまざまな事情から皇室が注目を浴びることが多い昨今、日本の市民が、皇室について知識をたくわえておくべきタイミングが来ているといえるかもしれません。
皇室を維持するとはどういうことなのか…を考えるということは、ある部分においては、皇族の人々がどのような生き方、生活をしているのかに思いを馳せるということでもあります。
現在の皇室の人々の生活を知ることは、もちろんさまざまな事情から困難ですが、歴史上の記録を読み解くことはできます。
明治天皇のケースについて、その生活のあり方をつぶさに記録しているのが、山川三千子『女官 明治宮中出仕の記』という書籍です。

著者の山川(旧姓:久世)三千子は、1909(明治42)年に宮中に出仕し、明治天皇の妻である皇后美子(はるこ=昭憲皇太后、1849~1914)に仕えました。いわゆる「皇后宮職」の女官です(正式な役職名は、権掌侍御雇〔ごんしょうじおやとい〕)。
そんな山川がつぶさに御所の内部の様子を振り返った同書は、最初は1960年に実業之日本社から公刊され、世間に衝撃を与えたとされます。
たとえば、明治天皇の朝の習慣、最近の言葉を使えば「モーニングルーティーン」について、同書はこのように報告しています。