前編『米銀破綻は日本にも確実に飛び火する…!地方銀行に忍び寄る、ヤバすぎる「破綻のメカニズム」』では、シリコンバレー銀行が破綻に至った理由を詳述した。日本の銀行にも同様の「危機のメカニズム」が埋め込まれているというから、話はおだやかではない。
「預証率」が4割超え
「預証率」は金融機関の預金残高に対する国債、地方債、社債、株式、その他の証券を合計した有価証券残高の比率で、資金の運用状況を示す。この預証率が22年3月期時点で30%を超えている地方銀行が15行もある。山梨中央銀行と山形銀行は、ともに預証率が40%を超えているのだ。(表1)

また、メガバンク等の預証率でも、三菱UFJ銀行とみずほ銀行がともに33%を超えている。(表2)

つまり、これらの銀行では、本業としては融資に運用すべき預金で集めた資金のうち、3割以上が有価証券で運用されているという構造になっている。
経営破綻したシリコンバレー銀行には及ばないものの、相当に高い比率だ。国内の銀行は、日銀の大規模金融緩和によって市場金利が抑え込まれているため、米国債を中心に外国債券を購入して資金運用を進めてきた。